Mobility Transformation MeetUp Vol.1 「スマートドライブ代表 北川烈へ聞きたいことありますか?」レポート

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Speakers

北川 烈
北川 烈
代表取締役社長
株式会社スマートドライブ

Summary

[当ページは2020年7月29日に開催されたセミナーのレポートです]

「移動の進化への挑戦」それはスマートドライブだけでなく、業界・業種を超えてさまざまな方たちと議論をしながら実現へと導くものだと私たちは考えています。そこで、企業や人がフラットに意見を交わし、つながる場所として「Mobility Transformation MeetUp」を定期的に開催することとなりました。第一回は7月29日、オンラインで開催し、全国各地から多くの方にご参加いただきました。MaaSやCASEなど、連日モビリティ業界の最先端技術と情報に触れている代表の北川がみなさまからの質問にお答えした、およそ1時間の濃密な内容を本レポートでお届けします。

イベントの趣旨、スマートドライブについての紹介

MCみなさん、こんにちは!本日はMobility Transformation MeetUp Vol.1にご参加いただき、ありがとうございます。本イベントで司会を務める、スマートドライブの長谷川です。よろしくお願いします。

新型コロナウイルスという未知なる脅威と直面し、先の見えない時代に生きる私たち。ますます一社単独で課題解決することが困難となる中で、スマートドライブは企業や業界の垣根を越えて連携できる取り組みを推進しています。VUCA時代(※1)を乗り切るには、競い合う「競争」ではなく、共に創りあげていく「共創」が必要です。
※Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字で、社会経済環境が極めて予測困難な状況を表す言葉

MC この度は、共創のきっかけや参加者同士がつながりを築く場として、オンラインによるミートアップを開催させていただくことになりました。記念すべき第一回では、オンラインで気軽に弊社代表の北川に質問できる場をご用意しました。では、北川より簡単に自己紹介をさせていただきます。

北川みなさま初めまして、スマートドライブ代表の北川烈と申します。スマートドライブは私が東京大学の大学院で研究していた移動体の技術をもとに立ち上げました。データ分析から始まった当社は、車両からデータを取得するIoTデバイスを開発したりしながら、それらのデータを活用したビジネスを展開する、CASEの中でもConnectedに注力したスタートアップ企業です。

設立から7年弱が経ち、現在では80名ほどの社員が在籍しています。特徴的なのは、社員の半数がデータを分析するデータサイエンティストや、収集したデータを分析する基盤を開発していることです。また、資本業務提携という形で一緒にサービスを作っていただける企業に株主になっていただき、データを活用したサービスを共に作りあげています。この辺りはスタートアップとしては珍しいかもしれませんね。

スマートドライブは、データのインプットとアウトプット、プラットフォームという3レイヤーで事業を展開しています。私たちが提供しているデバイスをはじめ、最近ではドライブレコーダーや温度センサなどからもデータを取得しています。これがデータのインプット。そしてバイクや車から取得したデータをプラットフォームで解析し、新たな価値へと変換します。アウトプットでは、既に特化したサービスを有している企業と協力して展開することもありますし、自社で展開しているものもあります。自社アウトプットとしては、次のサービスを提供しています。

Mobility Data Platform:プラットフォームに様々なセンサーデータが蓄積されますので、そのデータをお客様が自由に分析できる環境を用意いたしました。

SmartDrive Fleet:安全運転の推進や業務効率化、いわゆるフリートマネジメントをクラウド上で簡単に行うB2B向けのサービスです。

SmartDrive Cars走行データから運転傾向を分析し、ちゃんと安全運転している人にポイントを付与する、ドライバーエンゲージメントサービスです。

SmartDrive Families:高齢者や免許取り立ての初心者ドライバーがどこでどんな運転をしているのか、シガーソケットに挿したデバイスを経由してスマホで家族を見守ることができるB2Cのサービスです。

そのほか、プラットフォームのデータを活用して他社様と協業してサービスを構築したりしています。

事前にいただいた質問トップ3への回答

MCそれでは早速、事前にお寄せいただいた質問の中でとくに多かった上位3つのトピックについて回答させていただきます。

キーワード1「自動運転」

MC1つ目の質問は、「日本における自動運転は今後、いつ・どのように実現するのでしょうか?」というもの。北川さん、お願いします。

北川事前にいただいた質問は興味深い内容ばかりで、本来は各々に30分くらいの時間をかけて回答すべきですが…今回は時間が限られていますので、なるべく簡潔に意見を述べさせていただきます。

北川自動運転のロードマップは各社様々ですし、発表しているマイルストーンも異なりますが、いただいた質問は日本国内に関するものが多数でしたので、ここでは政府が提示している官民ITS構想・ロードマップを引用して解説します。

自動運転には自家用車、物流サービス、MaaSにも関係する移動サービスという、3つの切り口があります。このロードマップでは、2025年を目処に自家用車と物流サービスは高速道路で、移動サービスに関しては一部の特区で、レベル4と言われる完全自動運転の一歩手前の実現を目指すと記されています。レベル4はみなさんが想像される無人で自動車が走行できるものではなく、ある程度限定されたシチュエーションでの利用を指しており、完全自動運転は2030年以降に実現すると考えられています。ただし、自動運転の実現には、次にあげる日本固有の事象が深く関係し行く手を阻んでいるのです。

日本固有の事象(1):交通ルール

日本は道路交通法が非常に厳格に定められています。2019年の6月には道路交通法の改正によって自動運転システムで走行する場合も運転とみなされるようになりましたが、ODD(※2)の諸条件を満たさない場合は自動運転システムを利用して運転してはならないことになっています。これは、日本ならではの規制です。そのほか、自動運転車を運転するには普通自動車免許は必要か、完全に自動運転なら不要ではないかといった議論が現在もなされています。

※2 Operational Design Domainの略で、運行設計領域を示す言葉。自動運転システムが正常に作動する前提となる設計上の走行環境に係る特有の条件のこと。

日本固有の事象(2):責任関係

自動運転の車で走行中、万が一交通事故を起こしたら、民事責任と刑事責任は誰がどのように負うのか。これはどの国でも課題になっており、ヨーロッパは国の主導によって整備が進んできましたが、日本はまだ整備が進んでおらず、やや遅れている印象です。

日本固有の事象(3):文化の違い

これが個人的には一番大きなポイントだと思っていて。厳密には地図の違いですね。日本は道路が毛細血管のように細かく広がっていて複雑なうえ、住所も「○○区○○町××丁目××番×」とブロックで指定しますが、アメリカや他国は基本的にストリートアドレスで示し、非常に単純かつ道路が広いという違いがあります。そのため、自動運転に取り組む場合も比較的スムーズに進めやすいのです。政府のロードマップでは2025年にはレベル4、それ以降は2030年以降と記されていますが、個人的にはこれら日本固有の事象によって数年は後ろ倒しになるだろうと考えています。

MCなるほど…日本独自の課題をいかに解決していくかが実現スピードを上げていくカギですね。ちなみに、こんな質問がきています。「EV化と自動運転はどのように進んでいきますか?」

北川EV化は自動運転以上に早く進んでいくと思います。自動車メーカーの方々のお話を伺っていると、コロナの影響で、20〜30年先の研究開発よりもまずは3〜5年先の実現しやすいところから進めようとしている企業が多いと感じます。EV、電気自動車は自動運転と比べれば法的なハードルも低いですし、これから急速に進んでいくかもしれませんね。

キーワード2「アフターコロナのモビリティ」

MCでは、次の質問に移りましょう。2つ目は「After/With/Beyondコロナの時代のモビリティはどのように変化していくのでしょうか?」です。

北川Beforeコロナと同じ世界には戻らないことを前提に考えたほうがいいですね。ここでは、「コロナのような未知のウイルスと共に生きていく中で、新しいサービスはどのようにして生まれるか」という視点で紹介させてください。

北川一般的なモビリティサービスと呼ぶかどうかはさておき、コロナと共存する中ですでに新たな事例がいくつか出ています。HONDA様とISUZU様はコロナ禍で迅速に感染者を搬送するための専用車両の提供を開始しました。未だ感染拡大が続く中、どのように感染予防を行い、感染者を安全に搬送するべきか。コロナ禍で必要とされる専用車両の提供をいち早く対応された2社の事例です。

北川個人的に面白いと思ったのがこちら。不特定多数の人々が利用する電車通勤は感染のリスクがあると考えた企業が、専用のオンデマンドタクシーを用意して、近くに住む人同士が相乗りして出社するタクシーサービスです。コロナの感染拡大が起きる前はこのようなサービスがなかったように思いますが、最近ではよく見かけるようになりましたね。

北川これは、人々が移動しない代わりに、タクシーが移動して買い物代行をするサービスです。人々の移動が減ったことで、タクシー業界は大幅に売上が落ちこみました。それを逆転の発想で、移動ができることを強みに変え、お客様のかわりに買い物をしてご自宅まで届けるという。このように、モノの移動をタクシーで補うサービスが地方では広がりつつあるようです。

コロナの収束はまだ先ですが、移動の総量は変わらないというのが私の持論です。外出自粛によって人が動かなくなった分、モノが動くようになった。だから、移動の総量は変わらない。人の移動が減って、物の移動が増える。電車による移動が減って、相乗りタクシーやオンデマンドバスが増える。移動の変化に対応するサービスは今後さらに増えていくでしょうし、スマートドライブでもさまざまなお問い合わせをいただいています。モビリティサービスへ参入する新規企業も増えていくのではないでしょうか。

MC「コロナでもカーシェアは進みますか?車の共用は避けられるように思うのですが。 」という質問をいただいています。北川さんのご意見はどうでしょう。

北川感染防止の観点で言うと、シェアリングが本当に安全なのかという疑問はついて回りますね。一台の車を不特定多数の知らない人同士が利用しますので、一定の心理的ハードルはあるでしょう。ただ、形を変えて移動手段は多様化しても、移動の総量は変わることはありません。

キーワード3「MaaSの今後」

MC3つ目の質問は「MaaSは今後どのようになっていくと考えていますか?(特に日本では)」です。

北川これはまさに今、私たちが取り組んでいるテーマです。

北川MaaSは多様な解釈の仕方がありますが、もっともイメージしやすいのがMaaSアプリです。フィンランドのWhimが有名ですが、移動の検索から予約、ルート案内、支払いまでが一気通貫に行えて、モノによってはそれが月々定額で使えるというサービスですね。個人的な見解では、これを狭義のMaaSと捉えています。今後は広い定義のMaaSが広がっていくと考えていますので、ここからは広義のMaaSについて話を進めていきます。

その前に、MaaSがこれまでの移動サービスとどのように違うかを解説しましょう。車を購入するときの状況を頭に思い浮かべてください。多くの人はディーラーへ訪れ、メーカーや機能などを確認し、どの車を購入するか決めますよね。そこから、ネットで検索して自分の年齢にあった一番安い保険を探したり、時期が来たらディーラーや整備工場に車を持ち込んで車検を通したり、ガソリンが無くなったら近くのガソリンスタンドへ行ったり…つまり、現在は各プレイヤーがお客様へ個別にアプローチをしている状態なのです。一部のディーラーが保険などを取りまとめてくれたり、法人だとリース会社が取りまとめくれたりすることもありますが、基本的にはメーカーなどが個別にアプローチしています。

MaaS事業者や私たちのデータプラットフォームにさまざまなデータが蓄積されていくと、エンドユーザーと直接的な接点を作ることができます。お客さんとメーカーとの間に入り、車にまつわるあらゆるデータをもとに、「A様がBへ向かう際に一番効率の良い移動手段はこれで、一番合う保険はこれ」と提案し、サービスを提供できる。それがMaaSであり、MaaSがもたらす変化です。つまり、自動車メーカーや保険会社など、今まで直接、B2Cでビジネスを展開してきた企業は、MaaS事業者に対してビジネスをするB2Bへと事業モデルを転換しなければならない。それが事業者視点での大きな変化です。このような動きはここ数年で増えていますし、これを広義のMaaSと捉えれば今後も多様なサービスが誕生すると考えられるでしょう。

日本は他国と比べても、公共交通機関のレベルが非常に高い国です。海外だと時刻表通りに電車が到着することが少ないですが、日本は定刻通りに運行していますしサービスレベルも高いので、個人的には狭義のMaaSはあまり必要ないんじゃないかと思っています。公共交通機関である程度スムーズに移動ができるのは、日本の良さです。ですから、狭義のMaaSに関するサービスを増やす必要はなく、広義のMaaSが拡張されるべきなのです。

また、日本とドイツ、アメリカの一部では、世界的な自動車メーカーが拠点を構えています。それに付随してTire1(※3)の企業も数多くいるため、MaaSへ進出する企業も非常に多い。ただ、コロナ以前は垂直統合と言いますか、全てを内製化する企業が多くいましたが、コロナで業績が悪化したことでその考え方が変わりつつあるようです。個々の強みや得意領域を持ち寄って掛け合わせるなど、競争領域と共創領域の振り分けが一気に進みそうな感覚を受けていますが、これも日本ならではのポイントかもしれませんね。
※3 ティアワン、メーカーに直接納入する、一次サプライヤーのこと。

MCありがとうございました。「今回のコロナ禍で、MaaSにおける医療分野との関係は大きく進化していくと思います。先々は自動運転も含め、医療分野にMaaSがどんな役割を果たしていくとお考えですか?」と、医療分野とMaaSに関する質問がきています。

北川いわゆるMaaSとはイメージが異なりますが、データを活用したり図示したりするMaaSは急速に進化を遂げています。私たちのお客様には医薬品の卸業や製薬メーカーもいますが、他業種との違いを感じるのは、単純な物の移動のみならず、温度の管理や機器を運ぶ際の車両の大きさ、患者さんとの相性など、前提条件が多いこと。データを活用することでルートの最適化や適切な温度管理も可能になりますし、業務内容によって車両を選ぶこともできる。前提条件の最適化という意味では、データ活用やプラットフォーマーの活躍が今後も求められるでしょうし、特に医療分野ではデータの活用が重要になっていくのではないでしょうか。

MCすでに進んでいる部分もありますが、より進化のスピードが加速するということですね。
事前にいただいていた質問でも「スマートシティ」というキーワードが多くありましたが、「通信業界からMaaSやスマートシティに近づける仕事を目標としております。通信業界に期待することはなんですか?

北川ここは、私の個人的な想いも入りますね。スマートドライブ自身、起業当初からスマートシティの文脈で多くの引き合いをいただいております。私たちはスマートシティの一部、移動データの活用に関して力添えをさせていただいていますが、通信事業者はスマートシティを実現するうえでも必要不可欠なプレイヤーです。データが通信できなければ活用できませんし、スマートシティも成り立ちませんから。ただ、少しネガティブな言い方をすると、通信事業者は回線のみを提供されていますが、スマートシティという枠組みにおいて集めるべきデータは、商業施設の中の状況や各種センサーなど、さまざまなデータを組み合わせなければなりません。ですから、単純にデータを集める通信の部分だけでなく、そこを合わせこむインテグレーションの部分までご対応いただけるようになると、価値がグンと向上すると考えています。

MCそうですね。他にも質問をいただいております。「大型マンションや地域の集団コミュニティーに潜在する様々なモビリティ・ニーズを市場に還流して中長期のプラットフォームとして展開できる商業モデルを創り出すには、企業一社(例えばカーシェア企業)との協議では実現できませんが、どのような創成プロセスが必要と考えますか?」ということですが…。

北川私たちも小田急さんや三井不動産さんとこのような取り組みを試行錯誤している最中ですが、そこで感じているのは、一社のみとの協業では実現が難しいということです。自社特有のパーツを有する企業が増えていますので、一社と一社ではなく、1社対Nというように複数の企業とコラボレーションしていくことがますます必要だと思っています。

そのために重要なのが、1対Nの共創を構築する際に間に協業先をまとめてくれる企業や人を挟んで会話することです。つまり、他社とのデータ連携をスムーズにしてくれるサービス事業者を間に挟むと。また、こうした新しい取り組みは採算が合わないと感じることもしばしばありますが、最近ではコロナをきっかけに安全に移動できる・暮らせるまちづくりに多くの助成金がおりようとしています。国からの援助を受けつつ、企業を巻き込んで、特区を作って、そこで商業施設+データの活用をセットで活用してPoCが進めていければ、スピード感を持って実現へと駒を進めることができるのではないでしょうか。

データ活用からモビリティ、スマートドライブの今後について

MC先ほどお話いただいたデータ活用に関する質問をいただきました。「モビリティデータを活用した新ビジネスを検討する場合、課題起点で考えるかデータ起点で考えるべきか?」これはなかなか深淵なテーマですね。この質問をされた方は現在、AIの開発部署に所属しており、データ活用したビジネスを考えていきたいとのことです。

北川個人的にも、これは永遠のテーマの1つですね。課題起点とデータ起点は、本来ならば両輪で考えるべきですが、あえてどちらか一つを選ぶとしたら、課題起点で考えるべきだと思います。私たちの事例でも、実際に課題起点で考えて、データ活用をしなくともアナログかつシンプルな方法で解決できたケースもあるんです。

手段ありきになってしまうと課題を解決するという本来の目的から脱線する場合があるため、個人的には課題を重視すべきかなと。ただ、「データを活用する」ことをミッションに掲げている部署だと、この話が通用しないかもしれませんが…。難しいですね。ですが、どちらか一方となると、やはり課題起点が重要です。課題を解決するための手段がデータ活用なのですから。

MCそうですね、どちらかと聞かれるとなかなか難しいですね。「テスラのようなAI活用の有料OTAサービスをやるにはOSS活用セントラルコンピュータが必須では?ただ、セントラルコンピュータは電力かかる→EV普及早まる→自動運転カーはEVになる→PHEVの自動運転カーは可能か?日本国内はこれか?」最終的にはPHEVの自動運転カーは可能かどうかということですが…。

北川私自身は、自動運転車は“動くスマホ”がベースの考え方になると思っていますので、EVが前提条件として考えられると言えるでしょう。ハイブリットか否かについてはエネルギー効率に関連しますので、自動運転を実現するための前提条件ではなく、各メーカーさんの判断になりますね。
そういう意味では、トヨタさんは中間ポジションを取られていますし、国内ではハイブリットが主流になる可能性が高いと考えられるでしょう。

MC同じ方からもう1つ質問をいただきました。「シェアはコロナで駄目。そうはいっても貧しい途上国はオーナーカー買えない→コロナ対応のシェアカーできる→無人シェアカー普及→先ほどの質問と併せてEV無人シェアカー普及か?→そうはいってもコロナでOEMは投資できない→途上国でEV無人シェアカー普及か?→あるいは2輪シェアカーか?→スマートドライブとホンダとの提携が勝利か? 

北川スマートドライブはマレーシアとタイで事業展開をしていますが、現地で2輪シェアリングサービスのニーズが高いことを目の当たりにしています。4輪車は金額的にも高額ですし、密閉空間になるのでコロナの感染リスクもある。その点、2輪は完全にオープンだし、感染リスクが低い。ですから、コロナの影響も踏まえて2輪のシェアリングはますます拡大していくと思います。
現在ホンダさんと取り組んでいる2輪データをシェアリングサービスでも活かすことができれば、サービス拡充の後押しになるかもしれませんね。勝利を勝ち取るのはこれからです(笑)

MC他にも質問をいただいているので紹介しますね。「特区やサービス会社で具体的に建設的な議論が進められるオープンフィールドはございますか?

北川話が早いというか、さまざまな取り組みが進んでいると感じるのが福岡です。私たちも拠点を置いていますが、現地の方たちが非常にオープンなんですよね。また、静岡ではスマートシティへの取り組みがスピーディに進んでいて、シリコンバレーならぬ“シズコンバレー”にしようという話も出ていますね。

MC時間がないので、どんどん質問に答えていただきましょう。「スマートドライブは今後どのような事業に取り組もうと思っていらっしゃいますか?

北川私たちが主体で提供しているサービス-―フリートマネジメント(車両管理)や安全運転支援など、SaaSビジネスで注力したい領域が二つあります。

1つは私たちが所有するデータを基盤として、新たなモビリティサービスの創出を裏で支えることです。
ホンダ様との協業で展開している2輪のデータ活用は、まさに私たちが黒子となり、裏で支えています。自動車メーカー以外にも、保険会社様やリース会社様、自治体を含め、多種多様な企業・業種の方に私たちのデータを活用していただきたいですね。

もう1つは、これらの案件を進めていくうえで、私たちがハブになること。私たちのお客様とパートナー企業様は600社を超えますが、データを軸に必要に応じてつないでいければと考えています。
たとえば、お客様の事故リスクをAIが分析して、とくに事故が発生しやすい企業を抽出し、そこに対して保険会社が特別オファーを出すとか。実際に、私たちのデータを介してお客様同士をつないでいったり、とある地域で進んでいるスマートシティのプロジェクトに、別のパートナー企業が別の地域で行っている実証実験の知見やノウハウを横展開したりするなど、スマートドライブをハブにしてつながる事象が増えてきていますし、私たちが共創の土台になっていければと思います。

MCさて、終了の時間も迫ってきましたので、最後の質問へ。「車の総数は今後どのようになっていきますか?」という車両台数に関する質問です。

北川先ほど、人とモノの移動を合わせた移動の総量は変わらないと話しましたが、GDPと総移動は相関関係にあるという研究結果も出ていますし、むしろ移動の総量は増えてきたとも言えるでしょう。ただ、個人的には車の総数自体は減るんじゃないかと。日本における車の稼働率は、一般家庭でも2.3%程度ですし、週末のみ1~2時間運転するという家庭も少なくありません。そこがシェアリングなどによってさらに最適化されれば、車両の総数は大幅に減少します。とはいえ、車以外の移動や1台の車を効率的に利用して移動することが増えるので、移動の総量は変わらない、もしくは増えていくのではないでしょうか。

MC最後に、北川さんは今後のMeetUpでどのような企画を考えていますか。

北川昨年、虎ノ門ヒルズで開催させていただいた時にもっとも多かったのが「事例を知ることができて非常に参考になった」と言う意見です。また、同じくらい「その場で、協業のきっかけができた」という声があがっており、私たちが目指している方向性としっかり重なったんです。今回はオンラインイベントとして、移動の未来について私なりの意見を述べさせていただきました。これがみなさんにとって参考になれば幸いですし、次回以降も参加した方々同士がつながったり、互いに事例を紹介したり、新しいビジネスのきっかけになったりするような場所を提供していきたいですね。

MCオンラインだと物理的にお会いして会話することは難しいかもしれませんが、テクノロジーも進化していますので、オフラインと変わらない方法で実現していきましょう!第2回、第3回もぜひ、ご参加ください!!

北川ありがとうございました!

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